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INTRODUCTION

発明家だった夫を亡くしたジョーン(パトリシア・ホッジ)は、親友のリンダ(ダイアン・キートン)、スーザン(ルル)と一緒に夫の作業場を片付けていると、秘密のウイスキーを発見する。3人でウイスキーを飲んで目覚めると、なんと身体が突然20代に若返っていた!彼女たちは昔を思い出し、若者たちが集まるナイトクラブに繰り出すものの、中身は70代のまま。ハメを外しすぎてしまい、数時間後には元の姿に戻ってしまう。ウイスキーが残っているうちに、もう一度若返って願望を叶えようと決めた彼女たちは、人生最後の冒険としてラスベガス旅行を計画!ラスベガスで様々な体験を通じて、見た目の若さよりも「ありのままの自分」でいることの大切さに気づいていくが、ある日予想外の事件が発生し…。
3人の主人公には個性的なキャスティング。離婚経験を持つリンダ役には、オスカー女優で、今も出演作が絶えないダイアン・キートン、夫を亡くしたジョーン役には、TV/舞台を中心に50年以上のキャリアを持つパトリシア・ホッジ、キッチンカーの男に恋するスーザン役には、シンガーでもあるルルが演じる。そして、本人役として歌手ボーイ・ジョージが特別出演!監督は、これまでに数々の映画賞受賞歴を持ち、本作でもナショナル・フィルム・アワードUK最優秀コメディ賞を受賞したスティーヴン・クックソン。

STORY

アーサーのウイスキー
イギリス郊外、嵐の夜。アマチュア発明家アーサーは画期的な発明を完成させた途端、落雷に見舞われ亡くなってしまう。彼の葬儀後、妻のジョーン(パトリシア・ホッジ)は友人リンダ(ダイアン・キートン)とスーザン(ルル)の手を借りて、アーサーの小屋を大掃除していると、ウイスキーのボトルを発見する。3人はリビングで、老いた体を嘆きながらウイスキーでアーサーに向けて献杯すると、そのまま寝入ってしまう。翌朝、目覚めた3人はお互いの顔を見て叫び、若返った自分の体を見て驚きと嬉しさを爆発させる。アーサーが発明したのは、若返りのウイスキーだった。
若返った3人はカフェに向かい、若くなった体でやりたいことリスト(バケットリスト)を作成する。しかし、若返りの効果が切れ始め、急いで店を出て行く。次は、体だけでなくファッションやメイクも今風に順応させて、3人の“ガール”たちはクラブへと繰り出す。久しぶりのクラブで、ダンスや強いお酒を楽しんだものの、飲み過ぎた3人は失態してしまう。特にスーザンはDJと強いお酒を飲み合いソファで寝てしまうと、翌朝元の姿に戻ったスーザンの姿を見たDJは飛び上がって驚く。
バケットリスト
これ以上、恥をかきたくない3人は、秘薬の効果が6時間だと目算し、今度はジョニーの思い出の地・シャーウッドの森へと出かける。若い姿の3人は森で、ベネズエラ屋台のオーナー・ジェームズ(アディル・レイ)と出会い、スーザンが料理への愛で絆を深め始める。しかし、ウイスキーは残り少なく、最後の一杯を飲み交わした3人はそれぞれ目的の場所へと向かう。リンダは、元夫カールの家を訪れ、新しいパートナーの前で彼に強引にキスをして、復讐を果たす。ジョーンは10代以来会っていない旧友カレンを探し始めるが、居場所が見つからない。スーザンは、ジェームズと時間を過ごすが、彼から息子がいることを告白される。それぞれやりたいことを少しずつ叶えてはいるものの、ウイスキーは飲み尽くす。さらに、リンダは体に異変を感じて病院に行くと、医師から厳しい告知を受ける・・・。
ラスベガスとありのままの自分
もう夢を見ることができないと諦めかけていた3人だったが、ジョーンが最後のウィスキーを見つけ、3人はずっと望んでいたラスベガスへの旅に出かける。ラスベガスを楽しむ3人だったが、ルルがウイスキーで乾杯をしようとすると、リンダはウイスキーを拒んだ。「若返った自分は本当の私じゃないみたい。ありのままの自分で、最後の旅を楽しむの」「そうね」と、3人は、ありのままの自分で、ラスベガスの最初の夜を過ごした。
翌日、ジョーンはバーでカジノのオーナー・ハル(デヴィッド・ヘアウッド)と出会い、甘い言葉で薦められたメスカル(=メキシコの蒸留酒)で乾杯する。老いた自分を卑下するジョーンに対し、「新しいことに挑戦する君は若いよ」というハルの言葉に、ジョーンは勇気をもらう。スーザンは、ジェームズからの連絡で秘薬を使って、ビデオ通話で会話を楽しんだ。一方、リンダは化粧室でドラァグクイーン(ローレンス・チェイニー)に出会うと、苦しみを吐露しはじめる。リンダが「ありのままの自分を受け入れる秘訣は?」と問うと、ドラァグクイーンは「そんなものはない。自分の道を歩くだけ」と応え、吹っ切れた表情でリンダは出て行く。ラスベガスで今を楽しむヒントを得た3人は、ハルからショーのチケットもらう。ショーには、リンダが出会ったドラァグクイーンとゲストのボーイ・ジョージがいて、気が付くとジョーンたちは、ボーイ・ジョージたちとステージに立ち、歌っていた。特別な夜を過ごした3人だったが、翌朝、予期せぬ悲劇が起こる・・・。

CAST

Diane Keaton / Linda
ダイアン・キートン/リンダ
1946年1月5日、米・ロザンゼルス生まれ。『ふたりの誓い』(70)で映画デビューし、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』(72)のケイ・アダムス・コルレオーネ役で一躍脚光を浴びる。ウディ・アレン監督作に多く出演し、『アニー・ホール』(77)ではアカデミー賞主演女優賞を受賞。その他に、『ボギー!俺も男だ』(72)、『スリーパー』(73)、『ウッディ・アレンの愛と死』(75)、『インテリア』(78)、『マンハッタン』(79)などに出演。その他、『ミスター・グッドバーを探して』(77)、『レッズ』(81)、『ロンリー・ハート』(86)、『マイ・ルーム』(96)、『ファースト・ワイフ・クラブ』(96)、『恋愛適齢期』(03)、『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(14)、『ロンドン、人生はじめます』(17)など数多くの作品に出演し、現在も出演作が絶えない。最新作に、キャシー・ベイツ、アルフレ・ウッダードと共演の『Summer Camp』(24)がある。
Patricia Hodge / Joan
パトリシア・ホッジ/ジョーン
1946年9月29日、英・クリーソープス生まれ。1972年、ロンドンのウエスト・エンドで上演されたボブ・フォッシー演出の「ピピン」で舞台デビュー。ローレンス・オリヴィエ賞主演女優賞に2度ノミネートされ、00年には舞台「Money」でもローレンス・オリヴィエ賞助演女優賞を受賞。映画では、ジェレミー・アイアンズ、ベン・キングスレーと共演した『Betrayal』(83)、デンホルム・エリオット、アンナ・マッセイと共演し、英国アカデミー賞主演女優賞を受賞した『Hotel De Lac』(86)などに出演。テレビでは、デニス・ウォーターマン、ジュリー・T・ウォレスと共演した「The Life and Loves Of A She Devil」(86)などがある。
Lulu / Susan
ルル/スーザン
1948年11月3日、スコットンランド・レノックスタウン生まれの歌手。デビューシングル「シャウト」(64)で一躍有名となり、輝かしいキャリアをスタート。その後、シドニー・ポワチエ主演の『いつも心に太陽を』(67)で女優デビューを果たし、同タイトル曲を歌い、全米ベストセラー・シングルとなった。その後、ジェームズ・ボンド映画『007/黄金銃を持つ男』(74)の主題歌を担当し、成功を収めた。その他の出演作に、人気のTVドラマシリーズ、「アブソリュートリー・ファビュラス」(94-12)や、アラン・カミングと共演した『My Old School』(22)などがある。
David Harewood / HAL
デヴィッド・ヘアウッド/ハル
1965年12月8日、英・バーミンガム生まれ。30 年以上のキャリアを持ち、最近では画期的なドキュメンタリーも発表。「HOMELAND/ホームランド」(11-12)、「ナイト・マネジャー」(16)、「高い城の男」(19)、「SUPERGIRL/スーパーガール」(15-21)、『ブラッド・ダイヤモンド』(06)など数々のテレビや映画に出演。最近では、ユニセフ親善大使に任命され、プリヤンカー・チョープラ、デヴィッド・ベッカム、セリーナ・ウィリアムズなど、多くの著名人たちとともに活躍している。97年にはナショナル・シアター初の黒人オセローを演じ、歴史に名を刻んだ。
Genevieve Gaunt / Young Linda
ジュヌヴィエーブ・ゴーント/若いリンダ
1991年1月13日、英・ロンドン生まれ。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)で映画デビュー。その他に、『天使が消えた街』(14)、『Dusty andMe』(16)、『喜望峰の風に乗せて』(17)などが、あり、最新作に『StrictlyConfidential』(24)がある。テレビでは、「ナイトフォール.悲運の騎士団.」(17-19)、「ザ・ロイヤルズ」(15-18)などに出演し、演劇では「Ghosts of the Titanic」、「Monogamy」、「French Without Tears」、ソンドハイムの「アサシンズ」(エディンバラ・フェスティバル・フリンジ)などに主演。2024年にパークシアターで上演された舞台「The Marilyn Conspiracy」では、主演マリリン・モンローを演じて話題となり、今後の注目の女優である。
Lawrence Chaney / Lucy Rulez
ローレンス・チェイニー/ルーシー・ルールズ
1996年10月16日生まれ。スコットランドのドラァグクイーン界のトップに君臨し、大人気リアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レースUK:シーズン2」で優勝したことで有名になった。21年にBAFTA(英国アカデミー賞)スコットランド・アワードをドラァグクイーン界で初めて受賞した。「ル・ポールのドラァグ・レースUK」で優勝して以来、主要なツアーで世界中を回り、ラスベガスのショーで「ル・ポールのドラァグ・レース・ライブ」のホストを務める。エディンバラ・フェスティバル・フリンジで初上演した「Overweight & Over It 」は、チケットが完売し、人気を博した。
Boy George / Himself
ボーイ・ジョージ/本人
1961年6月14日、英・ロンドン生まれ。本名ジョージ・アラン・オダウド。カルチャー クラブのヴォーカリストとして名声を博し、グラミー賞にノミネートされた音楽界のスター。デビューアルバム「キッシング・トゥ・ビー・クレヴァー」(82)に収録されている「君は完璧さ」は世界的大ヒットを記録。20世紀フォックス(現20世紀スタジオ)の『デイ・アフター・トゥモロー』(04)や『アーミー・オブ・ザ・デッド』(21)などの映画にも使用されている。その他のヒット曲に、「ポイズン・マインド」「カーマは気まぐれ」があり、世界16か国のチャートで1位を獲得した。また、ソロ活動として収録した「クライング・ゲーム」も、アカデミー賞を受賞した同名映画で注目された。

STAFF

Director / Stephen Cookson
スティーヴン・クックソン/監督・プロデューサー・共同脚本
1970年2月生まれ。ロンドンを拠点とする監督&プロデューサー、脚本家。これまでに、舞台劇「Brighton Beach Scumbags」を映画化した『Brighton』(19)、ブレンダ・ブレッシン、ティモシー・スポール主演の『My angel』(11)を監督。『My angel』は、モナコ国際映画祭で作品賞、脚本賞、監督賞を受賞。また、ティモシー・スポール主演の『Stanley a Man of Variety』(16)では、監督賞や主演男優賞を含む20以上の国際映画賞を受賞。そのほか、エドガー・アラン・ポーの短編小説を脚色した『Tell Tale Heart(告げ口心臓)』(19)や『Shakespeare’s Heroes and Villains』(19)、『The Battle of Cable Street』(21)、『The Mumbo Jumbo』(00)のほか、アラン・パーカー監督の名作「ダウンタウン物語」以来となる、子役キャスト全員が大人に扮した初の映画ミュージカル『Journey to the Moon』(08)などを手掛けた。
Producer / Peter Keegan
ピーター・キーガン/プロデューサー
不動産や建設のベンチャー事業で成功した実績を持ち、財務管理や契約といった専門スキルをいかして映画製作業界に転身。07 年に、スティーヴン監督とCK Films Ltd を設立。それ以来、スティーヴンと『My angel』(11)、『Brighton』(19)、『Tell Tale Heart(告げ口心臓)』(19)などの映画を共同で製作してきた。
Producer / Pippa Cross
ピッパ・クロス/プロデューサー
1956年3月13日、英・サフォーク生まれ。当時英国最大の民間放送局のひとつだったグラナダの映画部長として、『マイ・レフトフット』(89)、『赤ちゃんにバンザイ!?』(95)、『ゴーストワールド』(01)、ポール・グリーングラスの『ブラッディ・サンデー』(02)など、多岐にわたる作品をプロデュース。 03 年には、ジャネット デイとCrossDay Productions を設立し、『ルワンダの涙』(05)、ミーラー・ナーイル監督の『悪女』(04/未)、『ルーキー・ハウス・ガール』(11)、イドリス・エルバ主演の『消されたスキャンダル』(16)などを制作。エストニア・ドイツと共同制作の映画『Last Sentinel』が23年に公開され、現在、マイク・ニューウェル監督の『China Court』を準備中。
Writer / Alexis Zegerman
アレクシス・ゼガーマン/脚本
1977年、英・ロンドン生まれ。女優として、英国インディペンデント映画賞の受賞経験があり、マイク・リーの舞台や映画作品で知られている。脚本家としては、BBCのコメディ『Dirty Martini』(15)で執筆経験があり、現在、2つのオリジナルTVシリーズに取り組んでいる。1つはコメディドラマの『Character Seven』、もう1つは女性群像劇『Hartswood』。舞台では、戯曲「The Steingolds」がスーザン・スミス・ブラックバーン賞の最終候補となり、『Holy Sh!t』はキルン劇場(旧:トライシクル劇場)で上演された最初の作品となった。また、「The Fever Syndrome」はハムステッド・シアターで成功を収め、ジョン・F・ケネディと画家エレイン・デ・クーニングに関するドラマ「Portrait of a Man」を手がけた。